【デュッセルドルフ(ドイツ)26日=岡崎悠利】サッカー日本代表(FIFAランク24位)は27日、エクアドル(同44位)との国際親善試合に臨む。11月開幕のW杯カタール大会に向け、メンバー発表前の最後の試合となる。途中出場から流れを変えてきた“ジョーカー”MF三笘薫(25=ブライトン)が先発の見込み。A代表デビューから8戦5発の決定力で本大会でのスタメン奪取へ、2戦連発を誓った。

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鋭いまなざしで三笘が言葉に力を込めた。「途中出場だから結果を出せると思われるのか、スタメンでもできると思われるのかというのはある。どっちでもできると思っているし、証明するいい機会」。

米国戦では後半途中から出場し、同43分にドリブルで持ち込んでゴールネットを揺らした。疲れてきた終盤、三笘の投入は相手にとっては脅威となる。“ジョーカー”起用を理解しつつも、スタメンへの意欲について「もちろんある」と繰り返した。

A代表デビューから通算8試合で驚異の5ゴールを決めた。出場時間は計373分で、90分換算の得点数は1・21点。1試合フル出場なら1点は決める計算になる。W杯出場を決めた3月のアジア最終予選オーストラリア戦でも、後半39分から出場して2得点と実績は申し分ない。

主力のMF南野拓実や米国戦で好パフォーマンスを見せた久保ら激しい序列争いの中にいる。先発した場合、鍵となるのはチームが求める高い強度の守りと攻撃のバランス。相手が元気だったとしても「守備もやった上で、特徴を出せるかが試される。最初から100%で」と、出たときのイメージはできている。今季からプレミアリーグでプレー。出場時間は短いものの、強度やスピード、伸びてくる足など、高いレベルでの経験も生きている。

本大会初戦で対戦するドイツが、23日の欧州ネーションズリーグでハンガリーに敗れた試合も見た。「スピード感は米国戦よりも全然高い。米国に通用したからOKではない。(ドイツは)何回も仕掛けられるような相手ではないし、質にこだわりたい」と難敵である意識は変わらない。まずはW杯で、ドイツと相対するピッチに立つための結果を。生粋のドリブラーがエンジンを全開にする。