日本代表監督の後任人事がさらに大幅に遅れることが分かった。大仁邦弥副会長(65)は14日、前日夜に渡欧中の原博実強化担当技術委員長からの連絡で、来週中の契約合意が厳しい見通しを明かした。これによって9月4日の新生ジャパンの初戦パラグアイ代表戦(日産ス)は新監督ではなく、代行監督が決定的になった。日本協会は元ポルト監督のビクトル・フェルナンデス氏(48)を最優先に交渉を進めてきたが、最後の詰めの段階で難航。監督人事はさらに予測できない事態に陥った。
小倉会長、大仁副会長が原委員長に全権を託した後任人事は、完全に裏目に出た。W杯南アフリカ大会で16強入りし、日本中の関心を集めた日本サッカーは、後手後手の監督人事とともに失速していく。
大仁副会長
進展はあると言えばあるが、まだ時間がかかる。昨夜、原から連絡はあった。もう少し時間がかかるという感じだ。決定時期は22、23日の週に延びる可能性が出てきた。
詰め切れない現状を「もめてはいないが、合意には至っていない」と歯切れ悪く説明するしかない。新監督は外国人の場合、就労ビザ取得が必須も、この遅れで9月4日のパラグアイ代表戦での初采配は絶望的になった。代行監督の可能性を問われると、口の堅い同副会長には珍しく具体的に触れた。
大仁副会長
もしそうなるなら、来週早々にも会長や専務理事と話し合わなければならない。
日本のサポーターは、W杯南アフリカ大会での快進撃を受け、さらに進化する日本代表に期待した。その注目の初戦、せっかくパラグアイ代表とのリベンジマッチという最高のカードを用意しながら、みすみす代行監督で臨まなくてはならない。観客動員、視聴率面での大打撃は回避できず、新生ジャパンはいきなり大きくつまずくことになる。
さらに、原委員長は10日に前川崎F監督の関塚隆氏(49)にスペインから直接電話を入れ、代表コーチ入りと五輪代表監督就任を要請していた。この日関塚氏はオファーに関して「私は知らない」と全面的に否定。だが、監督が決まる前にコーチ候補者にオファーをしてしまうところに、人事の順序を踏めない交渉のまずさを露呈した形だ。同副会長は「我々のオファーの中には日本人がコーチに入るという条件がある。その条件はマストです」と説明。日本人コーチを先に決めたい協会の思惑が、原委員長の手順を踏まないオファーに現れた。
このままこじれれば、フェルナンデス氏、マルコ・ファンバステン氏以外の候補者にも枠を広げるしかない。代行監督は原委員長、もしくは関塚氏の可能性も浮上してきた。原委員長は大仁副会長の命令で、後任人事がまとまるまで帰国できない。原委員長のイバラの道は当分続く。


