FWクリスティアノ・ロナルド(31)がハットトリックを達成し、最優秀選手に選ばれた。試合後は「3得点してチームに貢献できたのは良かった。バロンドールも取れて、いい1週間だった。完璧な形で1年を締めくくれた」と、満足げな表情を見せた。

 後半7分に逆転を許す予想外の展開になったが、MFバスケスが獲得した15分にPKを決めて同点とした。もつれ込んだ延長戦では前半8分に鹿島DFの間を抜け出し、FWベンゼマのスルーパスを左足ダイレクトで合わせてGKの股を抜きゴール左隅へ決めた。6分後には再び左足で、今度は上隅へ。追いすがる鹿島を沈黙させ、仁王立ちポーズで雄たけびを上げた。「いつでも皆はクリスティアノに対して、もっともっとと期待しているし、自分は一番の力を出すことを心がけている。だから満足している」と、3発に自ら及第点を与えた。

 延長後半7分にFWモラタと交代。身を乗り出して試合を見守ったロナルドの表情は、試合終了の笛と同時に笑顔になった。ベンチコート姿で歩いてピッチに出ると、チームメートと抱き合って喜びを分かち合った。「苦しんだけどチームはいいプレーをした。決勝は簡単ではないし、苦しむもの。このタイトルは心から皆が欲していた。こういう形で終わるのは想像はしていなかった」と、笑顔で120分の戦いを振り返った。

 これで今年は欧州チャンピオンズリーグ、スーパー杯に加えてクラブ3つ目のタイトル。ポルトガル代表では欧州選手権で同大会初優勝も経験し、「4冠」を達成。「どのタイトルも違う重みがあるけど欧州選手権のタイトルは特別。なぜならポルトガルが初めて手にしたものだったから。ともかく、他のタイトルもうれしかった」と、母国にもたらした初の栄冠への重いも口にした。

 個人では4度目のバロンドールという勲章も加わった。バルセロナFWメッシの5度に続く記録。「チームメートに感謝している。彼らがいなければ個人タイトルはとれていない。本当に感謝している」と、仲間へ最大級の賛辞を送った。

 今年最後の公式戦を、ハットトリックという最高の形で終えた。チームはこれで82個目のタイトルを獲得。「今年のシーズンは個人としてもチームとしてもとても勝った。試合を楽しんで、これからもタイトルをとっていきたい」。36歳までRマドリードでのプレーを約束されているロナルド。キャリア最高ともいえるこの1年も、あくまで通過点だ。