元日本代表主将の、J3のガンバ大阪U-23(23歳以下)宮本恒靖監督(40)が8日、大阪・堺市内でボスニア・ヘルツェゴビナの子どもたちを対象に異文化交流会を開いた。

 宮本監督が立ち上げた「マリ・モスト(小さな橋)プロジェクト」の一環となる事業。ボスニア・ヘルツェゴビナで民族紛争の地となったモスタル市に同監督が主導して開校したスポーツアカデミー「マリ・モスト」に所属する9~14歳の子どもたち10人を、初めて日本に招待した。

 この日はG大阪の下部組織に所属する小学5年生とミニゲームなどを実施。子どもたちは4日に来日し、5日の浦和対大宮(埼玉)を観戦したり、大阪・岸和田市のだんじり会館で日本文化を学んだりした。

 交流を図った宮本監督は「彼ら(ボスニアの子どもたち)にはいろんな日本のものに触れて、人間としての幅を広げて欲しいと思っている。交流を深めるのは大事なこと」。子どもたちは言葉も通じないものの身ぶり手ぶりで意思疎通を図るなど、それぞれ工夫してミニゲームなどに取り組んでいた。その様子を見て、宮本監督は「日本の子どもたちも最初は戸惑ったり、どうやって伝えるか分からなかった。今の時代、小学生から英語は大事だと言われているが、どうして必要なのか子どもたちも感じたと思う」と納得した様子だった。

 今回の交流会は、日本万国博覧会記念基金助成事業の一環で、宮本監督が代表を務めるNPO法人「Little Bridge」が180万円の交付金を受け、実現した。