J1最少失点の横浜F・マリノスが、3戦連続完封勝利を飾った。前半9分、左サイドバックのDF山中亮輔(24)が、ドリブルからミドルシュートを放つと、こぼれ球をFWウーゴ・ヴィエイラが押し込み先制。その後はサガン鳥栖FWビクトル・イバルボに、両チーム最多タイのシュート5本を打たれるなどピンチが続いた。後半22分には、鳥栖はFW豊田陽平を投入してたたみかけてきたが、最後まで1点を守りきった。

 エリク・モンバエルツ監督は「組織的な守備の強さが勝利につながった。両サイドバックは球際に強さを見せてくれたし、両センターバックは空中戦でのヘディングに強さを見せてくれ、GKは好セーブでチームを救ってくれた。それだけではなく、FWも最前線から詰めてくれたし、うちの2列目の選手の運動量はすばらしく、チームとしての守備を機能させてくれた」と、全員の守備を手放しでほめた。今季、柏レイソルから加入し、この日も含めて攻撃面で得点に絡むケースが増えた山中も「相手に決定機が多くあっても守ることができるのがマリノス。そういうところを吸収したいと思っている」と、伝統の守備への意識の高さから、ゴールに絡み続けていることよりも、無失点を誇りに感じている様子だった。

 この日、至近距離からのシュートを止めるなど、好判断が目立ったGK飯倉大樹(31)は、それでも「個人としては課題も多い。同じような形で(7月29日の)清水戦では失点したこともあったし、チームとしてもどうやって対応すべきか決めないといけないケースもある」と、3戦連続完封勝利にも満足してはいない。DF中沢佑二(39)も「上位とまだ戦っていないので、その時にどうなるかが大事。優勝争いをするには何よりも勝ち点3が求められる。レベルの高い相手と戦った時に真価が問われる」と、上位チームとの直接対決が残る今後に向けて、気を引き締めていた。