北海道コンサドーレ札幌がつかみかけていた勝ち点3を逃した。ホームで最下位のアルビレックス新潟に2点をリードしながら、試合終了まで残り10分から追い付かれてのドロー。2-1の後半36分には、札幌加入後2度の手術を乗り越えて復帰したMF稲本潤一(38)を投入も、勝ちきれなかった。勝ち点1は積み上げたが、14位のまま。次節は今季未勝利の敵地で、勝ち点1差の15位サンフレッチェ広島戦となる。

 膨らんだ勝利への希望は、試合終了まで、あと少しのところで吹き飛ばされた。前半ロスタイムにMF早坂の3季ぶりゴールで先制。さらに後半11分、FWヘイスの技あり直接FKで突き放した。ところが、同35分にセットプレーから失点すると、同42分に同点ゴールを許し、まさかの引き分けに。「選手はひどく落胆したと思う」と四方田監督。J1で5戦全敗中だった新潟に、またも土をつけることは出来なかった。

 1点差に詰め寄られた直後の後半36分、昨年6月に右ひざを痛めて以降、2度の手術を乗り越えて復帰した元日本代表MF稲本をボランチで投入した。川崎F時代の14年12月6日神戸戦以来、1022日ぶりのJ1出場。「すごく長かった」という稲本の復活も、報われなかった。

 後半ロスタイム、FWヘイスからのクロスに走り込み、ミドルシュートを放ったが、相手DFに当たって枠を外れた。「決めきれずに悔しい。追い付かれてから、もっと、どんどん(攻めに)行かないといけなかった」と反省の弁を並べた背番号17は「今は悔しさしか残っていない。残念」と、逃した勝ち点3を嘆いた。

 順位は14位のままだが、2連勝中で5試合連続負けなしと乗っている15位広島との勝ち点差は、わずか1に。その広島と、次節は敵地で激突する。稲本は「ラスト7試合。この試合を忘れるのではなく、反省して次の試合に臨みたい」と、J1残留をかけた直接対決を見据えた。【中島宙恵】

 ◆札幌のJ1での新潟戦 23日の2-2での引き分けで、初めて勝ち点を獲得した。08年4月26日ホームのJ1初対戦を0-1で敗れてから1-2、0-1、1-4、0-1と5連敗していたが、通算1分け5敗となった。ちなみにJ2では7勝2分け3敗(17得点13失点)。