敵地ドローで残留圏に踏みとどまった。北海道コンサドーレ札幌はJ1残留を争うサンフレッチェ広島と対戦し、1-1で引き分けた。後半15分にPKで先制点を許したが、その9分後、今度は札幌が相手の反則でPKを獲得。2試合ぶりにスタメン復帰したFW都倉賢(31)が、冷静にゴール左隅へ決めた。チームは開幕から敵地で14試合連続未勝利も勝ち点1をゲット。負ければ降格圏の窮地を脱した。

 遠く離れた敵地へ駆けつけた札幌サポーターは、約700人。前節まで5試合連続負けなしと好調だった広島相手に、なんとか追い付き、勝ち点1を手にした。「良くもなく、悪くもなく、次につながる貴重な勝ち点1だったと思う」という四方田監督の口調は、淡々としていた。

 負ければ6月25日以来の降格圏転落の危機だった。立ち上がりから積極的に相手にプレッシャーをかけ続け、左サイドを中心に攻撃を仕掛けた。後半15分にPKで失点したものの、同24分、広島MF稲垣のハンドで、今度は札幌にPKのチャンスが転がり込んだ。エースFW都倉がきっちり決めて、同点。時計が進むにつれてカウンターの応酬となったが、耐えた。

 右足首をひねり、同30分にMF小野と交代した主将のMF宮沢は「最後までチームに貢献したかったけど」と言いながらも「アグレッシブな守備は出来たと思うし、攻撃的な姿勢を出せたのが良かった」と、次節へつながる引き分けに、手応えを口にした。一方、5試合ぶりに先発復帰したMF荒野も、試合開始直後に首を痛めながらプレー。それでも再三、相手の中央突破を防いだ背番号27は「すぐに治ると思うので、次の試合ではもっと積極的に行ける」。ボランチ2人の献身が、チームを支えた。

 残留争いは依然として大混戦。次節は14日に札幌厚別で、上位の柏と対戦する。指揮官は「厳しい戦いが続くけど、最後に目標をつかめるよう頑張りたい」と、次の戦いへ視線を向けた。【中島宙恵】