「中部対西部」の構図となった準決勝は、中部の名門2チームに軍配が上がった。清水桜が丘が3-1で浜名に快勝。MF白井海斗主将(3年)が2得点で、チームを2年ぶりの決勝に導いた。静岡学園は、延長戦の末に1-0で浜松開誠館を振り切った。FW塩浜遼(2年)が鮮やかな決勝ゴールを挙げ、同校初の県内3冠に王手をかけた。決勝は、18日にエコパスタジアムで行われる。

 2年エースが豪快な1発を決めた。静岡学園は延長後半8分、左サイドを崩して中央に展開すると、味方が放ったシュートにFW塩浜が反応。トラップでボールを浮かせ、ジャンピングボレーで右足を振った。強烈な弾道はゴール右上へズドン。無失点を通した浜松開誠館から土壇場で1点を奪い、塩浜は「ボールが来る予感がありました。うまく合わせられたと思います」と振り返った。

 ゴールに飢えていた。今大会は1次T2試合で4得点を挙げるも、決勝Tは無得点だった。「今日は点を取って挽回したかったです」。くすぶっていた気持ちを胸に秘めながら、前線からしつこく守備をし続けた。その姿勢を川口修監督(44)も、しっかりと評価していた。「献身的にいき続けたご褒美ですね。いいゴールでした」。

 塩浜の武器は、切れ味鋭いドリブルとトリッキーなプレーだ。今夏の全国総体初戦星稜戦でも、鮮やかなオーバーヘッドを決めていた。幼いころからアクロバチックなシュートにあこがれ、練習から取り入れていた。「遊びの中でやっていた積み重ねが大事な場面で出たと思います」。

 チームは3年ぶりの決勝進出。新人戦と県総体に次ぐ、県内3冠に王手をかけた。清水商が2000年に達成して以来17年ぶりの快挙達成を目前にし、塩浜は「次も自分が取って勝ちます」と言った。決勝の相手は、清水商の流れをくむ清水桜が丘。長くしのぎを削ってきたライバルを退け、静学の歴史を切り開く決意だ。【神谷亮磨】