今月1日にプロ契約を結んだFC東京の高校1年生MF久保建英(16)が、J1リーグ戦デビューを飾った。

 敵地サンフレッチェ広島戦にFW登録で初めてベンチ入りし、1点を追う後半14分にFW永井謙佑(28)と交代でピッチへ。16歳5カ月22日の出場はクラブ最年少、J1リーグではFW森本貴幸(東京ヴェルディ)FW宮吉拓実(京都サンガ)に次ぐ史上3番目の若さとなった。

 この日のJリーグを中継していたNHKが「初ゴールです」と誤ってアナウンス。すぐ「初出場です」と訂正したが、注目度の高さを物語っていた。

 久保も、その期待を裏切らない。登場早々、軽やかなボールタッチからMF橋本拳人(24)へ狭いコースでパスを出すなど「緊張感もなく、すぐとけ込めた」と落ち着き払ったプレーを披露。「去年の11月に、ほぼ同じ時期にJ3でデビューさせてもらったんですけど、その時は硬かった。比較すると、練習もやらせてもらっていたし、今日はいいプレーができたと思う」と自然と試合に入れたという。

 得点すれば、森本に次ぐ史上2番目の早さ。ロスタイム3分にはピッチど真ん中を持ち運んで利き足の左足でシュートを放つ。惜しくもGK正面に飛んだが、スタジアムを沸かせた。「DFを引きつけて、股下を狙ってファーサイドに打つ狙いでしたけど、正面だった。もしファーにいっていれば、と思うと悔しい。思った通りのところにボールがいかないのは練習不足。もっと練習したい」と意識高く振り返った。

 この試合は、FWの大久保嘉人が右足首痛、広島から期限付き移籍中で出場できない契約のピーター・ウタカが不在。久保にチャンスがめぐってきた。最後までゴールは決められず、試合も敗れたが、久保は反撃の軸となり、試合後はサポーターから「建英」コールが送られた。本人も手応えをつかみ「今の自分の総合的な実力だと途中から(出場)になる。ただ、つかめたものはある。コンスタントに試合に絡んで感覚を失わないようにしていきたい」と実りあるデビュー戦となったようだ。