全国高校サッカー選手権に出場する清水桜が丘(静岡)が23日、静岡市内で2日間の合宿をスタートさせた。初日は午前と午後の2部練習で調整。左ひじのケガでリハビリ中のFW白井海斗主将(3年)ら、主力数人が不在の中、全国大会での先発出場を懸けた「最後のアピール合戦」が始まった。

 本番さながらの緊張感だった。合宿初日の午後は、黄色と赤のビブスでメンバー分けし、紅白戦を実施した。随所で激しい球際の攻防が繰り広げられ、覇気のないプレーには味方同士で厳しく指摘し合った。

 エースで主将のFW白井は、今月18日に左ひじを負傷してリハビリ中。背番号10のFW渡辺唯人(3年)も別メニュー調整するなど、現在は県選手権で主力だった選手数人が離脱している。合宿はチームの結束力を高める狙いもあるが、控えに甘んじていた選手にとっては、スタメン奪取へ存在感を示すべき場だ。FW大屋寛太(3年)は言った。「自分をアピールしたいです。ここでやらなければ試合には絡むことができなくなってしまうので」。

 全国選手権は、登録メンバー30人から毎試合20人がベンチ入りできる。交代枠は最大5人。勝ち進むことがチーム共通の思いだが、あこがれのピッチに立ちたい思いは30人全員が持っている。紅白戦で主力組に入ったMF古長谷千博(1年)も「今は全国のピッチに立てるか、立てないかの大事な時期。しっかりアピールしたいです」と闘志を燃やした。

 高川学園(山口)との初戦まであと7日。この日は白井が負傷後初めてスパイクを履いてボールを蹴るなど、明るい材料もあった。チームは今日24日も2部練習を行う予定。クリスマスイブにも、熱いバトルが繰り広げられる。【神谷亮磨】