全国高校サッカー選手権は今日5日に準々決勝が行われる。昨夏の全国総体覇者、流通経大柏(千葉)の本田裕一郎監督(70)は、国見(長崎)を6度の優勝に導いた長崎総合科学大付の小嶺忠敏監督(72)との対戦を熱望していた。選手権での初対決を喜ぶ一方、前日調整では相手のロングスロー対策を徹底した。万全の準備で2冠を狙う。

 すれ違いを繰り返してきた東西の名将による初対決が実現する。本田監督は「ずっと背中を追いかけてきた人。サッカーにかける情熱は衰えていない。お互いに頑張りましょう対決だね」と笑みを浮かべた。

 習志野(千葉)時代の95年に全国総体で初の日本一を経験。元日本代表FW玉田(名古屋)らを育てた。01年に流通経大柏の監督に就任し、素早いプレスを軸としたサッカーで強豪へと成長。選手権は07年度大会で初優勝し、全国総体も08年、17年に制している。

 目指す先には、国見時代に選手権を6度制した小嶺監督の存在があった。ともに古希を迎え、尊敬しあう間柄。昨夏の全国総体や練習試合では対戦したが、選手権で過去6度あったチャンスで交えることはなく「小嶺先生のチームとやりたい」と熱望していた。

 千葉市内での最終調整ではセットプレーに約1時間かけ、特にロングスロー対策を徹底した。優勝した全国総体は全5試合で1失点だが、堅守を崩された相手が準々決勝でぶつかった長崎総合科学大付。ロングスローを起点に今大会も注目のFW安藤に決められた。本田監督は「相手はよく鍛えられたチーム。多分、勝負はセットプレーで決する。(ロングスローは)厄介だね。選手にはここからが1回戦だと言っている」と気を引き締めた。【松尾幸之介】