ベガルタ仙台のMF菅井直樹(33)が、3バックの右に本格的に挑戦することとなった。チームは20日、沖縄県糸満市の西崎陸上競技場で基本戦術の確認を中心にメニューをこなした。この中で菅井は攻撃練習の守備側に入り、3バックの右に位置して何度もパスカットするなど、適応力の高さを見せつけた。今季、仙台渡辺晋監督(44)は、複数ポジションの適応を選手に求めている。これまで攻撃的ポジションを任されていた菅井にとっては、プロ16年目にして新たな挑戦に踏み出すことになる。

 昨季のホーム大宮戦で、途中出場から初めて3バックの右を任された。当時、監督の高評価を耳にした菅井は「ジョークじゃないでしょうか」と反応していたが、現実のものとなった。

 菅井 監督のリクエストに応えるのが僕の仕事。どこでやろうが戦う気持ちは変わらない。与えられたところで自分のストロングポイントをいかに表現するか。毎年キャンプでは常に若手の気持ちで臨んでいる。トライする気持ちは常に持っているし、楽しみです。

 菅井の3バック起用を、渡辺監督は「人にもボールにも思い切りいける選手。対人の強さを発揮してもらいたい。もちろんウイングバックに入ったときは、持ち味のクロスに飛び込むところだったりは期待している」と話した。

 平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)で4大会連続五輪出場となる山形中央時の同級生・加藤条治(32)の存在も刺激となっている。「僕より彼のことを大きく取り上げてあげてください」と菅井。飽くなき挑戦を続ける盟友とともに新境地を切り開く。【下田雄一】