ベガルタ仙台一筋14年のMF富田晋伍(31)が、開幕スタメン入りへ向け順調な仕上がりをアピールした。チームは8日、宮崎県延岡市の西階陸上競技場で明日10日に行われるサンフレッチェ広島との練習試合へ向け、ミニゲームを中心に調整した。この中で富田は奥埜博亮(28)とダブルボランチを組み、攻守でキレのある動きを見せ本番モードにギアをシフトさせた。

 4季連続で主将を任された富田が、アグレッシブな動きでチームの空気を開幕モードに一変させた。昨季は開幕から先発出場を続け、攻守の要として欠かせない存在となっていたが、9月10日のサガン鳥栖戦で左太もも裏を痛め戦線を離脱。プロ生活初となる肉離れで、長期のリハビリ生活を余儀なくされた。それだけに今季にかける思いは強い。

 富田は「自分ではポジションがあるとは思っていない。もう1回ポジションを奪い取る意識で練習に入っている」。昨季から採用された3-4-3システムにも順応し始め、動きにも迷いがない。開幕スタメンを奪取すれば、168日ぶりのピッチとなる。「もっともっと個人的にもチームとしても質を上げていかないといけない。90分間戦えるようにここからコンディションを整えていきたい」と富田。開幕まで残り16日、ピンチの芽を摘む守備職人が、最後の仕上げに取りかかる。【下田雄一】