開幕弾でゴールラッシュのスタートを-。北海道コンサドーレ札幌のFWジェイ(35)が、札幌では初めて迎える開幕戦へ、胸を高ぶらせている。昨季途中加入し、14試合で10ゴール、2アシスト。今季は攻撃陣の要として、貪欲にゴールを狙う。チームは22日、サンフレッチェ広島戦(24日、エディオンスタジアム広島)に向けて敵地に入った。

 ジェイの顔は晴れやかだった。熊本市内で行われたミニゲームで主力組に入り、攻めた。締めにはシュートが決まった。全体練習では初めてセットプレーも確認。開幕へ、準備を万全に整えた。「いいトレーニングができた。いいコンビネーションもできたし、土曜日の試合が楽しみ」と自信を見せた。

 充実の時間を終えても1人、最後までグラウンドを後にしなかった。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)と話し込む。練習中、攻撃がうまく連係しない場面など、思わず感情を表に出した。見逃さなかった指揮官から「若い選手が今より成長して、いっぱいチャンスが来るようになって、たくさんゴールできるから」と説かれた。開幕スタメンは若手がそろい、最年長になる見込み。実力も経験もある。「みんなどんどんうまくなっている。ポジティブなキャンプだった」と、自身にとっても技術を磨いた時間を振り返った。

 昨季の決定力から、今季も得点に期待がかかる。7月に加入。出場14試合でチーム最多10得点を挙げた。34試合試合出場なら24点という、年間得点王ペースでゴールを量産。今季はシーズン最初から、仲間とともに戦える。「自信は持っていないとダメ。自信を持っていたら最高のシーズンになる」と、自らにも言い聞かせるように鼓舞した。

 シーズン幕開けの笛が間もなく鳴る。特別な思いを抱く。Jリーグデビューした磐田(当時J2)所属だった15年。開幕戦でいきなり2得点を決めて勝利に貢献した。イメージはできている。「開幕戦はリーグ戦で一番好き。プレッシャーがある試合。毎試合同じだけど、どんな試合でも点を決めて勝ちたい」と、気持ちを高める。攻撃的サッカーを目指すチームには、頼もしいストライカーがいる。【保坂果那】