E組の柏レイソルがホームで傑志(香港)に1-0で勝ち、今季ACL初勝利を飾った。引いて守る相手に苦しみながらも、後半21分に途中出場のFW伊東純也(24)が決勝ゴールを決めた。これで1勝1分け1敗の勝ち点4とし、1次リーグ突破へ望みをつないだ。次節は14日にアウェーで再び傑志と対戦する。

 持ってる男がチームに貴重な勝ち点3をもたらした。伊東は後半11分にFW中川寛と交代でピッチに投入されると、後半21分にDF亀川の左サイドからのクロスに快足を飛ばし、DFを振り切って右足をダイレクトで合わせた。「1次リーグ突破のために絶対勝たなきゃいけなかったし、これでやっと戦える段階に入った」。今季ACL初ゴールが、苦しむチームを救う決勝点となった。

 2日のリーグ戦の横浜F・マリノス戦から中3日での一戦。疲労を考慮して下平監督は先発7人を変更した。試合後には伊東ら主力について「できれば出さずに終わりたかった」と本音ももらした。そんな中で0-0で迎えた後半11分に最初の交代カードとして投入された。自身が放ったシュートはこの1本のみ。わずかなチャンスで指揮官の期待に応えた。

 この日は日本代表の手倉森コーチも視察に訪れていた。3月下旬のベルギー遠征に臨む日本代表は今月中旬に発表予定。伊東は「そこまでアピールにはなってないと思う」と謙遜したが、手倉森コーチは「持ち味のスピードは出せていた。(得点を)決めるのは持ってるよね」とその活躍ぶりを評価した。

 中3日の10日にはリーグ戦のセレッソ大阪戦が控え、14日にはアウェーで傑志と再び対戦する。過密日程の最中にあるが、昨年12月の東アジアE-1選手権に続く日本代表入りへ向けても立ち止まるわけにはいかない。「この流れを止めないように連勝したい」。柏のエースとして活躍し続けることが、6月に迫るW杯ロシア大会メンバー入りへの近道となる。【松尾幸之介】