風間八宏監督(56)が指揮する名古屋グランパスと、一昨季まで指揮していた川崎フロンターレの試合は、FW大久保嘉人(35)の一撃で川崎Fに軍配が上がった。川崎Fは19試合無敗で首位に立った。

 技術と技術の対決だった。互いに、安易なクリアやパスミスが少なく、前半はボールがタッチラインから出ることはほとんどなかった。0-0で迎えた後半20分。川崎Fはゴール前25メートル付近でフリーキックを獲得すると、鬼木達監督はMF家長昭博に代え、大久保をピッチに送り勝負に出た。MF中村憲剛のキックに大久保が飛び込み、頭で合わせ待望の先制点。人生初のファーストタッチゴールで、J1通算180点と自身の記録を更新した。

 大久保は今季、リーグ戦ではスーパーサブでの起用が続いている。その中での得点に「途中出場は1、2分でも得点を期待されている、(先発で)出てなくて、ちょっとの時間でも点が取れなければどつぼにはまる。それだけは避けたいと思っていた。その中で点が取れてほっとした」と振り返った。

 大久保がスペイン1部のマジョルカ在籍時に誕生した長男の碧人君がこのほど、小学校を卒業し、4月から中学生になる。そして、この日は三男の橙利君の幼稚園の卒園式だった。名古屋戦での決勝ゴールは、2人の愛息への最高の卒業祝いになったはずだ。