J2アルビレックス新潟は、第6節ホーム徳島ヴォルティス戦を翌日に控えた24日、新潟聖籠アルビレッジで練習した。筑波大卒のルーキーMF戸嶋祥郎(22)がミニゲームで先発組のボランチを務めた。2試合消化したルヴァン杯では先発フル出場しているが、きょう25日のホームに登場すればJデビュー。初のデンカビッグスワンで、持ち前の運動量をサポーターの目に焼きつける覚悟だった。

 冷静さを装う戸嶋の内面から、激しい気迫があふれ出した。静かな口調から突いて出る言葉に、徳島戦への闘志がむき出しになった。「自分の力を示したい。ピッチに立って、評価される存在になりたい。いろいろな人に見てもらって、自分はこういう選手だと、証明したい」。大卒ルーキーが言う「こういう選手」とは、持ち前の豊富な運動量をピッチで吐き出すことだった。

 鈴木政一監督(63)の戸嶋への評価は高い。「彼はチーム戦術、ボランチの役割を理解している。その中で自分の持っている運動量、パフォーマンスを出して欲しい」。筑波大時代はサイドハーフ、トップ下で、4年時に関東大学リーグ1部で優勝。リーグのMVPを獲得した即戦力だ。ボランチは開幕前の高知キャンプで取り組み始めたばかりだが、指揮官は「意識が高い。しっかりした考えでプレーしてくれる。十分やってくれる」と言った。

 チームの苦しい台所事情でJリーグ・デビューのチャンスが巡ってきた。ボランチの正位置を務めていたMF坂井大将(21)が、U-21日本代表パラグアイ遠征メンバーに選出され不在。前節愛媛戦はMF原輝綺(19)が務めたが、徳島戦はセンターバックに配置換えだ。DF富沢清太郎(35)が体調不良のため、陣容に手が加わった。そんな機会を、戸嶋はポジティブに捉える。「序列が変わるタイミングはアクシデントか、チームの流れが悪いとき。結果を出すことがすべて」。大卒ルーキーはチームの汗かき役を担う。【涌井幹雄】