勝ち点10で並ぶ水戸ホーリーホックと横浜FCの対決はスコアレスドローに終わった。横浜FCのFWカズ(三浦知良、51)はベンチ入りしたが出番はなかった。

 今季、流通経大から加入した横浜FCのFW立花歩夢(22)がド派手デビューを飾った。ベンチ入りが決まった瞬間、アニメ「スラムダンク」の主人公・桜木花道を意識し、ディスカウントショップで赤のカラーリング剤を購入し、1時間かけて真っ赤に染めたという。後半43分、FW戸島に代わりピッチに入った。後半45分にはハーフウエー付近からドリブルで攻撃エリアへ持ち上がり、FWイバへ相手GKと1対1になる決定的なスルーパスを送った。得点にはつながらなかったが「自分で打とうとも思ったけど、得点につながる確率が高いパスを選択した」と振り返り「1秒でも長く出たかった。また、チャンスをもらえたらうれしい」と笑顔を見せた。

 流通経大4年では、大学選手権優勝を経験した。チームメートだったMF守田英正が川崎フロンターレで、FWジャーメイン良がベガルタ仙台で出場を果たし、焦りから腐りかけた時期もあったという。だが、カズから「サッカー中心に生活しろ」、強化担当のスタッフから「プロの世界は甘くない。いつチャンスをもらってもいいように準備をしなさい」との言葉を励みに練習に臨んだ。持ち味は前への推進力と得点だと自負する。「短い時間でも得点の結果を残さないといけない」。デビューだけに満足せず、次節への出場に備え、再びトレーニングに向き合う覚悟だ。