今季2度目の「静岡ダービー」は、名門藤枝東出身の司令塔に注目だ。ジュビロ磐田-清水エスパルスの伝統の一戦は明日7日、袋井・エコパスタジアムで行われる。攻撃でキーマンとなる磐田MF山田大記(29)と、清水MF河井陽介(28)は藤枝東で先輩後輩の間柄。高校時代、ともに背番号「10」をつけた両雄が、J1で5シーズンぶりに直接対決する。

 磐田MF山田は、後輩との“再戦”を心待ちにした。明日7日の清水戦は2列目での先発が有力で、ボランチを務めるMF河井とのマッチアップが予想される。5日は、磐田大久保グラウンドでの調整に参加。全体練習後も黙々とシュートを打ちこむと「できればチームメートとしてやりたい選手。でも対戦となれば別。うれしさ半面、マッチアップでも絶対に負けたくない」と、語気を強めた。

 イメージもできている。昨年8月に古巣磐田に復帰した山田は、10月の静岡ダービーに途中出場。ダメ押しとなる3点目のネットを揺らした。「去年はチームとしても3戦全勝。自分のゴールも含めて良いイメージを持っている」。さらに、2列目で先発した前節ホーム浦和戦では、ドリブル突破から決定機を演出するなど攻撃を活性化。2-1の逆転勝利に貢献した。山田は「良さを出しやすいポジションだと思う」と、現状にも手応え十分だ。

 現在、チームは公式戦5戦負けなしと好調を維持。2カ月間で15試合を消化する連戦中に迎える伝統の一戦は、勝てば宿敵との順位も入れ替わる。山田は「小さい頃からジュビロでプレーしてきた自分にとって、清水は常にライバルだった。順位を見ても、重要な意味を持つ試合になる。必ず勝ちたい」と言った。

 後輩との直接対決を制し、チームをさらに勢いづける勝ち点3をもたらす。【前田和哉】