敗戦のなかにも、初先発起用に応えた若手の奮闘が光った。北海道コンサドーレ札幌U-18所属のDF中村桐耶(17)がフル出場した。2種登録選手として、これまで今大会2試合で途中出場していたが、3バック左として、初めてスタメンに名を連ねた。「落ち着いてできた。みんなに『大丈夫』と声を掛けられ、思い切ってできた」と、振り返った。

 持ち前の積極性で存在感を発揮した。前半には相手の清水エスパルスFW鄭大世(チョン・テセ)が仕掛けた攻撃に対応し、ボールを奪ってピンチの芽を摘む場面もあった。攻めの姿勢も貫いた。同42分。クロスのこぼれ球を拾い、左サイドからのミドルシュートを放った。ボールはゴールを大きく外れたが、貪欲に得点も狙った。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)からも「どんな試合でもポジティブな部分を見つけられる。私の中では中村だった」と、評価された。

 守備陣として3失点を悔やみ「自分のマークからやられた。ミスしたプレーに着目して今後につなげていきたい」と、反省も忘れない。将来有望の17歳にとって今大会での経験は、間違いなく成長につながっていくはずだ。【保坂果那】