楽天の三木谷浩史会長兼社長(53)が24日、都内で会見を開き、スペイン1部バルセロナを退団したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、J1ヴィッセル神戸に完全移籍で加入したと発表した。

 三木谷会長は、イニエスタとともに飛行機でこの日の午後、日本に到着した足で会見場に来たという。イニエスタが8歳でアルバセテ(現スペイン2部)の下部組織に加入し、12歳だった96年にバルセロナの育成組織の寮「ラ・マシア」に入寮したことを踏まえ「飛行機の中でも話しておりますと『マシアの選手は1人』と言っていました。保守本流です」と強調。その上で「彼がキャプテンとしてチームを率いてきた哲学や、バルサの持つDNAが注入されるのは、大きな刺激になると思っています。単にチーム力の向上だけではなく、ユース年代向けのアカデミーへのメソッド導入を含め、次世代の育成にも寄与していくものと期待しております」と発言。

 <1>トップチームの強化

 <2>下部組織(カンテラ)から優秀な選手をトップチームに送る、バルセロナのメソッドを育成組織に注入する

ことまで期待していると明かした。

 もっとも、トップチームの強化とアジア制覇、その先にJリーグを世界に広めていく、グローバル展開こそ大きな柱だ。三木谷会長は「世界最高峰のプレースタイルと技術を日々、目の前で見られるのは神戸にとどまらず、日本サッカー界に大きなインパクトを与え、アジア全体のサッカーにも影響を与えるものではないかと思います」と強調した。

 その上で「新ヴィッセル神戸」を宣言。「アジアナンバー1になることを本気で目指していきたい。イニエスタ選手は、7400万人ものSNSのフォロワーを持ち、世界的に影響力がある。日本のサッカーが世界から注目を浴びることが出来るような仕掛けも、ドンドン作っていければ」と、イニエスタを軸とした、日本サッカーを世界に向けて発信していく新たな展開に動くことも示唆した。

 三木谷会長は「スポーツには人と社会を元気にさせる力があると信じています。立場を超えた感動を分かち合い、心を勇気づける原動力がある」とスポーツを支援する意味を語った。その上で「イニエスタ選手が日本の社会や人々をエンパワーする(影響を与える)と思って交渉してまいりました。イニエスタ選手が日本で思い切り楽しんでプレーしてもらえるよう、美しく感動するプレーを披露してくれるよう、全力でサポートします」とイニエスタの完全サポートを約束した。【村上幸将】