J2アルビレックス新潟はまたしてもホームで勝てなかった。ヴァンフォーレ甲府に1-5で敗れ、連勝を逃した。5点は今季最多失点で、そのうち2点は元新潟の甲府MF小塚和季(23)に決められた。後半3分にFWターレス(23)の今季2ゴール目で1点を返すが、反撃もここまでだった。

 今季最多の5失点に試合後、新潟のメンバーは降り続く雨の中でがっくりとうなだれた。後半3分、DF原輝綺(19)の右サイドからのクロスをターレスが頭で押し込んで1点を返した。「後半の立ち上がりから1点ずつかえしていくぞ」。ハーフタイムに飛ばした鈴木政一監督(63)のゲキに応えた。だが、ここまでだった。

 前半の4失点があまりにも重かった。前半3分にコーナーキック絡みで失点したのを皮切りに、前半42分までに許した。そのうち2得点はセットプレーから。残りの2点は小塚に奪われた。帝京長岡高出身で、昨季山口に期限付き移籍後、甲府に完全移籍。次代のエースと期待された男にダメ押しを許した。甲府を率いる上野展裕監督(52)は12年に新潟ユースの監督と、トップチームの監督代行を務めた。新潟に縁のある2人に、手痛い“恩返し”をされてしまった。

 前節はアウェーで福岡に2-0。立ち上がりから粘り強い守備を見せ、後半に2得点した。それがこの日は早々に先制を許す。福岡戦とは別のチームのように相手にチャンスを与え続けた。「自分のところにボールが来れば得点できる」。チーム最多の5得点を挙げているFW渡辺新太(22)は、たびたび裏への飛び出しを試みたが、不発だった。

 勝ち点3を積めば14位から10位に上昇するチャンスだった。それが勝ち点24で並んでいた甲府に差を広げられる結果に。守れず、点を取れない。もどかしさだけが積み上がった。【斎藤慎一郎】