愛媛FCのFW近藤貴司(26)が、アウェーの大宮アルディージャ戦で、1点を追う前半37分に右足で貴重な同点弾を決め、チームの連敗を2で止めた。

 近藤は前半37分、DF林堂真(28)のロングフィードに反応して右サイドを抜け出すと、DF2人に寄せられながらも右足でトラップし、そのままつま先のトウキックでゴールに押し込んだ。「リン君(林堂)が、いいボールをくれたので、イメージ通りにいけました。トラップしたら、相手の逆を突くことが出来る感じがあったので、いきました。トウキックでしたけど、ニアに蹴れば入るかなと思いました」と林堂に感謝した。

 連敗の中、アウェーで先制を許す嫌な展開だったが、先制された6分後に追いついた。川井健太監督(37)が「好調の大宮さんから勝ち点1を取れたことをポジティブに捉えたいし、先制されて落ち込んだところを、すぐ取り返したのも、これまでにないことだった」と評価したと伝え聞くと、近藤は「チームとしては大きかった」と振り返った。

 この日はシステムを3-4-2-1から4-3-3変え、前半は大宮が戸惑いを見せるなど奏功したが、大宮が修整してきた後半は厳しくなったという。「前半は相手がシステムに対応できていなかったので、2点くらい決めておけば良かった。もっと自分たちのペースに持っていければ…。後半はうまさ、個の力で相手ペースで終わってしまった。自分たちも3バックに戻したりしたけれど、カウンターにいくのが精いっぱい…苦しかった」と振り返った。

 今季は前半戦を終えて最下位の22位と苦境が続く。5月15日には、20位と低迷したことを受けて、2期目の間瀬秀一前監督が解任され、下部組織U-18の川井監督が昇格と、てこ入れもなされたが、0-2で敗れた天皇杯2回戦・水戸ホーリーホック戦を含む公式戦22試合で、いまだ複数得点を決めた試合がない。試合後は川井監督から「もっと、もっと練習をやっていくしか、自分たちの課題は克服されない」と、厳しく指摘された。

 近藤は、後半戦に向けて「監督が変わってもベースは変わらない中で、練習の強度、質は上がっていると思う。試合でも出せていると思うが、結果につながらない、もどかしい時間を過ごしている。自分自身、FWなので、もっとゴールに絡んでいきたいし、1人1人が成長しないと、上には行けない」と気持ちを新たにした。【村上幸将】