J1浦和レッズが、ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場したDF槙野智章(31)と遠藤航(25)が先発しながら、J2で首位を走る松本山雅FCに先制されるも、DFマウリシオ(26)のヘッド2発で逆転勝ちした。槙野は前半42分のマウリシオの同点弾をアシストした。

 浦和は前半10分、一瞬のスキを突かれて松本MFセルジーニョに中央から右にパスを通されると、DF下川陽太にえぐられ、低いクロスを入れられると、ニアサイドに入り込んだFW永井龍(27)に押し込まれた。

 浦和は前半15分、左サイドを突破したMFマルティノスがクロスを放り込むも、FW興梠慎三のシュートはDFに阻まれた。前半26分には、MF柏木陽介の浮き球パスがDFにはじかれたこぼれ球を、MF武藤雄樹がシュートもGKにキャッチされた。豊富な運動量で、中盤からタイトに寄せてくる松本の堅守に、攻撃のリズムがかみ合わず、苦しい展開が続いた。

 その中、前半42分、ついに浦和が追いついた。右CKをファーサイドで槙野がヘッドで折り返すと、中央に飛び込んだマウリシオがヘッドでゴール右にねじ込んだ。マウリシオはマルティノス、そして槙野と相次いで抱き合い、喜んだ。

 浦和と松本との間には、因縁があった。松本が北信越1部リーグで戦っていた2009年10月11日に、同じ松本で天皇杯2回戦を戦い、松本が浦和を2-0で破る大金星を挙げている。松本がJ1で戦った15年のリーグ戦は浦和が2勝しているが、天皇杯の戦いは09年以来9年ぶり。その9年前の悪夢がよみがえるように、後半も攻めあぐんだ。

 その中、後半40分、右CKをマウリシオが再び頭で押し込み逆転。槙野はスタンドの大声援に、拍手で応え万歳した。