ベガルタ仙台はJ2大宮アルディージャを1-0で下し、3年ぶりとなる4回戦進出を決めた。前半にMF中野嘉大(25)の公式戦今季初ゴールで先制すると、堅守で1点を守りきった。昨年は筑波大に、一昨年はJ3グルージャ盛岡にジャイアントキリングを許し、2年連続で2回戦敗退を喫した悪夢を吹き払った。

 ワールドカップ(W杯)中断明けの第1戦。飛び道具の中野が、磨き続けてきた鋭い切れ味をいきなり見せつけた。「前半12分、左サイドを駆け上がると鋭いカットインでMFカウエ(29)を置き去りにし、相手DFが寄せきる前に右足を一閃(いっせん)。公式戦24試合目で待望の1発をゴール上段に突き刺し、「狙っていた得意な形。結果を出せてよかった」と振り返った。

 MF野津田岳人(24)が左足の違和感でチームを離脱したが、実力で奪った先発だった。渡辺晋監督(44)は「キャンプから調子がよかった。あのプレーは彼がいちばん得意とする形」と中野をたたえた。

 熊本キャンプのテーマであったロングカウンターの一端も見せた。後半残り20分、前がかりになった相手にブロックをつくって構える中、長い距離を駆け上がりフィニッシュまで持ち込んだ。「足をつってしまったり課題はある。得意の1シーンでうまくいったが他にも得点パターンはあるので出していきたい」。18日に再開するリーグ戦のホーム横浜戦へ向け勢いをつけた。【下田雄一】