FC東京の長谷川健太監督(52)は、横浜F・マリノス戦大勝後の会見で、開口一番「たくさん点が入って良かったと思います」と口にした。その後、口元に笑みを浮かべつつ、ジョークを交えて大勝を振り返った。

 「お客さんも、たくさん入った中、両チーム合わせて7得点。選手も、それ(客が多いこと)を知ってか分からないが、相手に2点も献上し、最後は謙佑が自分でゴールに入って、ボールが入らない」。

 後半19分までに5連続得点で横浜を圧倒しながら、後半24分にPKで失点し、同44分にはゴール前の混戦から2点目を許した。同ロスタイム5分には、FW永井謙佑が快足を飛ばしてGK飯倉大樹をかわしてシュートも、ボールは枠を外し、何と永井自らがゴールに飛び込んでしまった。長谷川監督は、試合の一連の流れを振り返りつつ「最後を締めれば言うことがなかった」と評した。

 横浜は前節、ベガルタ仙台からJリーグ史上2位タイ8ゴールを奪っていた。「最近、状態が上がったチームにホームで勝ちきるのが何より。前節8点取られたチームに取られたら…と思った」と警戒していたという。一方で「どういう形で、うまく抑えるか…プレシーズンマッチをやって、練習試合をやって、ルヴァンカップ2試合。あのやり方で熟成している…さすがに、5試合なので。何回もマリノスにやられていますし、どこを抑えなきゃいけないかというイメージは選手にもあったと思う」と、ハイラインで攻撃を徹底する、横浜の戦い方をチーム全体が熟知していたことが勝利の決め手になったことを示唆した。

 長谷川監督は「先に乗られたらどうしようもなくなる可能性はあった。太田の先制点は大きかった」と、前半8分に得意のFKで今季初ゴールをねじ込んだ、DF太田宏介(30)の先制弾が大きかったことを強調した。【村上幸将】