浦和レッズのオズワルド・オリベイラ監督(67)は、V・ファーレン長崎戦後の会見で「少し、特殊な試合になりました」と、顔を紅潮させながら、興奮気味に語った。

 何が特殊だったのか…。オリベイラ監督は「まず相手はゲームをぶつ切りにして、リズムを作らせない戦術で来ました。FK、スローイン、CK、1つ1つのセットプレーで、かなり時間をかけていました」と説明。「インプレーの時間を計れば、平均よりも長いと思いますし、インプレーの時間を長くすることが推奨されていると思う。相手の選手たちの意図はハッキリしていました。プレーを止めること。相手の9番(FWファンマ)は何度もファウルを犯したのに、優しかったのかな? 私たちがファウルを犯すと、すぐに止めた」と長崎の戦い方に不満をあらわにした。

 さらに「本日の試合で、もう1つ感じられたのは、レフェリーがCKの時にリスクを避けていたということ。私たちの攻守の時も、かなり多くの場面で攻撃側の方にファウルの笛を吹いていた。それはリスクを避けたのかな?」と審判への不満を訴えた。

 そして「ハイライトとも言えるところが、武藤(雄樹)のオーバーラップ。試合の終盤、彼がペナルティーエリアの中に進入した時、相手の振った手にボールが当たったが、笛が吹かれなかった。そういう解釈であるというなら受け入れるしかないが、アンチゲームとも言える流れに流れにレフェリーが協力してしまったのかなと思う」と語るうちに、顔はさらに紅潮。後ろに立てられたボードに塗られた、浦和のチームカラーの赤と、重なって見えるほどだった。

 質疑応答の中で「審判は勇気がなければ、やる資格はないと思うが?」と質問が出ると、オリベイラ監督は「とても重要なポイントだと思います。レフェリーが取る行動によって、試合の結果が大きく影響されることがあると思う。本日のような拮抗(きっこう)な試合でレフェリーが何度かミスを犯してしまい、結果として、長崎のスタイルにとって有利なものとなってしまった。CKの場合はボールが蹴られ、届いていない状態で攻撃側にファウルが吹かれることが多かった」と、まくしたてた。

 会見時間は約15分に及んだ。オリベイラ監督は最後に「抗議のような話になってしまい、申し訳ないんですけれど、それもサッカーの一部です。また、次回、お会いしましょう」と言い、苦笑いした。【村上幸将】