「宮本ガンバ」が、最下位名古屋を相手に初黒星を喫した。ガンバ大阪の宮本恒靖新監督(41)が就任して3戦目のアウェー名古屋グランパス戦。前半を2-0で終えたが、後半に3失点して逆転負け。後半ロスタイムに追い付かれた前節磐田戦に引き続き、つかみかけた勝利がするりとこぼれ落ちた。これで8試合連続勝ちなし。J2自動降格圏17位に転落した。

 最悪の現実が待ち受けていた。前半奪った2点リードを守りきれなかった。後半にまさかの3失点。同16分、DFファビオが相手FWジョーに与えたPKを決められ1点差になり、流れが一変した。

 指揮官は「2-1でリードしながら、3点目を取りに行く形が作れなかった」。後半34、39分にもジョーに得点され、わずか23分の間にハットトリックを達成され、勝ち越しを許した。

 後半ロスタイムに追いつかれた前節磐田戦に続き、勝ちきれない。リードした試合の進め方が課題として浮き彫りになった。MF遠藤は「チャンスがあれば点を取りにいきたかったが、いい形で前に進んでいかなかった」。前半はFWアデミウソンのPKで先制し、MF藤本が追加点を奪ったが、後半はまるで別チームだった。気温36度でスタートした試合。猛暑も影響してか、足が止まった。

 明らかに落ちた運動量が勝ちきれない主因。指揮官は「ゲーム体力が足りない。夏場の練習やシーズン通しての練習に反省点がある」と分析する。レビークルピ前監督体制だったワールドカップの中断期間、合宿は行わず、約1時間半の紅白戦だけの練習が続いた。ある選手は「合宿ができなかったので、体が作れなかった。ゲーム形式が多く、夏場の連戦を乗り切る体力をつけられなかった」と明かした。

 課題ははっきりと分かった。例年、夏場に強く8月の勝率が高いデータもある。試合後、宮本監督はすぐに「全員で前を向かないといけない」とハッパを掛けた。【小杉舞】