首位サンフレッチェ広島と、2位に浮上した川崎フロンターレの直接対決に注目だ。両チームの勝ち点差は9だが、川崎Fが台風12号の影響で1試合、消化が少ないだけに、この試合の結果が今後の行方を左右しそうだ。

 広島は15日のアウェー・ヴィッセル神戸戦で、FWパトリックが前半15分に先制ゴールも、同17分にスペイン代表MFアンドレス・イニエスタに同点ゴールを決められ、1-1で引き分けた。一方、川崎Fはホームでサガン鳥栖と対戦し、シュート数で25対2と圧倒しながら決定力を欠き、スコアレスドローに終わった。

 川崎Fのホーム・等々力競技場で対戦した3月31日の試合は、後半40分にMF柴崎晃誠が蹴った左CKを、パトリックが頭で合わせて先制ゴールを決めたが、終了間際に川崎FのMF長谷川竜也が混戦から押し込んだゴールがオフサイドと判定された結果、広島が1-0で勝った。オフサイドの判定については、試合後のクラブと審判員側の意見交換会で審判側が誤審を認め、4月19日に行われた日本サッカー協会の審判委員会でも誤審と結論づけられた。“因縁の再戦”という部分も、1、2位直接対決を、さらに過熱させそうだ。

 2戦連続ゴール中の神戸イニエスタが、7月22日のホーム戦で後半14分に途中出場してJリーグデビューも、0-3で敗れた湘南ベルマーレとアウェーで対戦する試合も注目だ。イニエスタは広島戦の前半17分、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキからのパスをペナルティーエリア左手前で受けると、冷静に相手守備陣の動きを見てDFを2人かわし、自らシュートコースを作って右足で決めた。各選手が豊富な運動量で厳しくプレスをかけてくる、湘南相手に、今度はピッチ上でどのような“魔法”を見せるか、注目だ。

 一方、湘南は前節15日のベガルタ仙台戦で1-4と大敗。守備面での1対1の強さ、攻撃面での強引ともいえるゴリゴリした突破が売りの、U-21日本代表DF杉岡大暉不在の影響も感じさせたが、杉岡はジャカルタ・アジア大会に参戦中で神戸戦もいない。J2で戦った17年も、主力に故障者が相次ぐ中、巧みな選手起用で戦い抜きJ2優勝を成し遂げた、曹貴裁監督の采配、手腕に注目したい。

 下位では、4連勝で自動降格圏を脱出した16位の名古屋グランパスが、勝ち点22で並ぶ15位鳥栖をホームで迎え撃つ1戦に注目したい。名古屋は13年8月31日のアウェー戦に1-1で引き明けて以来、鳥栖にJ1リーグ戦で3分け5敗、8戦未勝利と勝てていない。前節15日の横浜F・マリノス戦での2ゴールを含む4戦連発、7ゴールと猛爆中の、FWジョーが原動力となっていたが、そのジョーが累積警告で鳥栖戦は出場停止となる。エースの不在が、どう影響するか?

 一方、鳥栖もセレッソ大阪、浦和レッズ、川崎Fと強敵との3連戦を2勝1分けと無敗で乗り切り、復調傾向だ。ただ、元スペイン代表FWフェルナンドトーレスが6戦不発と沈黙が続く。川崎F戦ではシュートを1本も打てず、試合後「(日本に)来る前、1カ月くらい(チームで)練習できなかった」と、まだコンディションが整っていないことを示唆。ジョーが不在の中、トーレスがJ初ゴールで存在感を発揮できるか?

 台風12号の影響で1試合、消化が少ない中、鳥栖、名古屋と1差の勝ち点23の14位横浜は、川崎Fに得失点差でかわされ3位に転落したFC東京から17歳のFW久保建英を、J2東京ヴェルディから守備の要DF畠中槙之輔を獲得した。19日にアウェーで対戦する7位の鹿島アントラーズには、リーグ戦2連勝中だが、アウェーでは5連敗中と分が悪い。久保が早速、起用されるのか注目だ。また畠中が起用された場合、今季、東京Vから鹿島に移籍したDF安西幸輝との対決にも注目したい。