日本文理で初のJリーガーが誕生した。U-18日本代表GK相沢ピーターコアミ(3年)が6日、J2ジェフユナイテッド千葉と同校で仮契約を交わした。ガーナ人を父に持つ192センチの長身GKで、昨年1月にFWから転向したばかり。ポテンシャルの高い原石は来季、プロのフィールドで奮闘する。

硬い表情で会見の席に着いた相沢は、192センチの大型GKに似合わず目標は小粒だった。「1年目はチームに溶け込んでサポーターに顔を覚えてもらう。将来的には試合で活躍したい」と言った。ところが、GKを重点的に探していたクラブ側の期待は、はるかに大きかった。同席したJ2千葉の高橋悠太GM(36)はこう話した。「顔は練習初日に覚えてもらえる。ここまでポテンシャルのある選手はいない。大きな可能性を感じている。クラブとしては1年目からレギュラー争いをして、広い視野で海外で活躍する選手にもなって欲しい」。

相沢がFWからGKに転向したのは昨年1月。高校入学時に175センチだった身長が急激に伸びたようにGKとしても急成長した。8月にはSBSカップ国際ユースサッカー(静岡)でU-18日本代表デビューした。U-18静岡ユース戦でゴールマウスを守り、0-0のPK3-2。相手PKを2本止めた。「手足の長さを生かしたシュートストップと、フィールドプレーヤーだったから、キックには自信がある」と相沢は話した。

多くの大学から勧誘された。J1のC大阪、J2岡山のJクラブに請われて、春先から練習参加もしてきた。そんな中で最も熱心だったのが千葉。契約を迷わなかった。「GKを始めたのは遅いから、技術を身に付けたい。大学へ行くより、プロに入った方が将来的に活躍できる」と相沢は、プロで一からGK術を身に付ける決意。「同年代の日本代表選手に追いつきたい」と再度語った目標も、謙虚だった。【涌井幹雄】

◆相沢(あいざわ)ピーターコアミ 2001年(平13)1月20日生まれ。東京都出身。瑞穂二中出。前所属はアーゼット86東京青梅FC。中2でボクシングも経験。6人きょうだいの長男。2月のナショナルGKキャンプに参加。7月の国際ユースサッカーIN新潟のU-17県選抜メンバー。好きな選手はロシアW杯の日本代表GK川島永嗣。192センチ、82キロ。血液型O。