横浜F・マリノスのDF中沢佑二(40)が15日、大ファンであることを公言している歌手の安室奈美恵(40)の引退について語った。

安室は同日夜に故郷沖縄で最後のライブを行う。中沢は昨年9月に安室が1年後の引退を発表した際には、自身のブログで「耐えられる自信がありません」などとつづっていた。現在の心境について「寂しいというか、(引退発表から)1年間あったからね。心の準備はしてましたよ。もともと雲の上の存在ですから。いなくなるなあっていうのもあるんでしょうけど、(新しい)曲が出ないのは寂しいですよね。映像がみれないとか。そっちの方が寂しい」と話した。

シーズン中のため、沖縄行きはもちろんかなわなかった。チームは16日のホーム浦和レッズ戦(日産ス)へむけた練習を横浜市内で行い、中沢自身は痛めている左膝のケアのなどで室内で別メニューで調整。それでも遠く離れた横浜の地で何かできないかと模索しており「いろいろ考えましたよ。自分で(安室へむけた)Tシャツを作ったりとか。(自分の)膝がこういう状態じゃなければ、みんなにTシャツを明日着てもらおうかとか」と明かした。しかし、寸前で思いとどまったといい「好きですとは昔から公言してましたけど、それに対してプラスで公言する必要もないかなと。いろいろ考えましたけど、やめました。やるべきじゃないなと」と話した。

スケジュールの合間をぬって5月に東京で行われたライブに足を運んだ際には、アルバムを5枚買ってチケットに応募。クラブのオフィシャルマガジン「TRICOLORE(トリコロール)」には安室について語るロングインタビューが掲載されるなど、その愛は隠すことなく明かしてきた。ステージ上でみせるパフォーマンスには、サッカー選手にも通じる学ぶべき点があるとも語り「(安室は)常に毎年、進化している気がする。同じことを毎年やっているんじゃなくて、進化させているように僕には感じますし、そういう1つのライブに気持ちを込めてるんだなと思う。サッカーでも野球でも何でもそうですけど、プロはお金をとって見に来てもらうわけですから。見に来てくれる人のために全力を尽くすことは大事なことだし、原点ですよね」と話した。

16日をもって、安室は引退する。以降の過ごし方について、中沢は「何も変わらないです。ただ、ふとしたときにいろんなことを思うんでしょうけど、基本はサッカーがありますから。毎日そういうことを思うことはないと思います。今は膝の状態と向き合っているので」。自身は左膝の状態や疲労などを考慮されて8月19日の鹿島アントラーズ戦でベンチ外となって以来、公式戦に出場しておらず、復帰へ向けた調整を進めている真っただ中にある。安室引退の寂しさも押し殺し、本業であるサッカーへ全力を注ぐことを誓った。