プレーオフ(PO)進出へ向け背水の陣を敷くモンテディオ山形が、首位松本山雅FCに3-3で引き分け、貴重な勝ち点1を積み上げた。2-3で迎えた後半ロスタイムで、途中出場のFW中山仁斗(26)が値千金の同点ヘッド。GK櫛引政敏(25)が残り1プレーで相手に与えたPKを好セーブで止めて、土壇場で踏みとどまった。

ロスタイム3分にドラマが待っていた。FW中山が執念の同点ゴールを決め、誰もが勝ち点1を確信した直後に、まさかのPKを献上。自陣ペナルティーエリア内でMF内田健太(28)が相手を倒し、ホームが暗転した。ここでGK櫛引が奮い立った。相対するキッカーのジネイ(34)は鹿島時代の同僚で、癖は見抜いていた。「予測がドンピシャで当たったので、しっかりとはじくことができた。跳ぶタイミングも合っていた。何としても止めたかった」と左手1本で決勝弾を阻止した。

0-2から2度追い付く粘りを見せた。木山隆之監督(46)は「最後まで諦めずに、可能性を持続させていくためにも自分たちの意思を示さないといけなかった。後半は少し示せたかな」と振り返った。値千金弾を放った中山は「最後、クシが何とか止めて終われたことは大きい。全員で踏ん張ってしのいで取った勝ち点1。次につなげたい」。残り7試合。PO進出圏内となる6位との勝ち点差は1開いて「9」になっても、最後の巻き返しへ足場を固めた。【下田雄一】