あと1点が届かなかった。鹿島アントラーズは終盤、たたみかけるような攻撃で決勝ゴールを狙ったが及ばず、2-2の引き分け。2戦合計3-4で敗退が決まった。

全タイトル制覇を目標に掲げていた鹿島の1つめがついえて、FWセルジーニョの同点ゴールをアシストしたDF安西幸輝は「アシストはしましたが勝っていないので…。この敗退は今季1番つらい負け。全員が今後、どうやってサッカーをしていくか、しっかり示さないといけない」と沈痛な面持ちで言葉をしぼり出した。

第1戦を1-2で落とし、最低でも複数得点が必要なこの試合。だが「相手のボールの動かし方に、自分たちが先に動いてしまったというか、動かされてしまった。しっかりとしたポジショニングから守備ができていなかった」と大岩剛監督。少しずつマークがずれて、前半だけで2点を失った。この時点で逆転するには3点が必要になった。

後半立ち上がりからセルジーニョを投入し、FW土居聖真をトップ下に置いた。逆転勝ちしたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の水原(韓国)戦と同じ配置に変えた。後半16分にはFW山口一真を投入した。その1分後に、土居が、横浜F・マリノスGK飯倉大樹の不用意なゴールキックをかっさらって1点を返した。

同25分には、山口が鋭い切り替えからオーバーラップした安西を使い、2点目が生まれた。そこからも攻め続けた。左足首のけがから復帰したDF昌子源も後半39分に投入し、DF犬飼智也を上げてパワープレーの形も取った。何度も、相手に悲鳴を上げさせる場面は訪れた。だが…。

「後半だけに限って言えば、めちゃくちゃうまくいったと思います」と土居。それだけに、前半の2失点が大きく響いてしまった。

大岩監督は「この悔しさをしっかり、次の試合に生かそうという話を選手にはしました。4つの大会を戦ってきて、これから3つの大会があるのは我々だけ。しっかりとその責任とプライドを持って向かっていきたい」と話した。