Jリーグ勢による「みちのくダービー」は、ホームのJ1ベガルタ仙台が3-2でJ2モンテディオ山形を撃破し、初の決勝に進出した。前半だけで3得点のゴールラッシュ。同14分にFWジャーメイン良(23)のボレー弾で先制、同18分にはMF矢島慎也(24)のミドル弾、同36分にもDF平岡康裕(32)の右足弾でダメを押した。ジャーメインは1ゴール2アシストで全得点に絡んだ。山形もFW阪野豊史(28)の2発で追いすがったが、後半は無得点に終わった。仙台は9日の決勝でクラブ初タイトルを懸けて、浦和と埼玉スタジアム(開始午後6時)で対戦する。

天皇杯男が激しい打ち合いのゴングを鳴らした。前半14分、ゴール中央付近に位置していたFWジャーメインが左サイドからのクロスに反応。「ヨシ君(中野嘉大)がマイナス気味にボールを入れてくれた」と、豪快な左足ボレーで決めた先制ゴールは、天皇杯3戦連続の一撃だった。

気持ちを前面に出し試合の流れを呼び込んだ。同18分にはMF矢島の今季チーム初となるペナ外のミドル弾をアシスト。2-1で迎えた36分にはクロスボールをヘディングで落としDF平岡のゴールをアシスト。ルーキーFWが全得点に絡み、チーム初の決勝に導いた。

毎日の居残りシュート練習で急成長を遂げた。背後からのボールを収めて反転して前を向く反復練習で、ファーストタッチの質に磨きをかけた。渡辺晋監督(45)は「今のチームの中で一番ゴールに向かえてるし相手の脅威になっている。足元の技術が改善されて、自分のストロングを発揮できている」と評価する。

みちのくダービー史上最もハイレベルな、準決勝での対戦だった。クラブ規模で見る片方の山とは対照的。クラブ人件費が20億円超のビッグクラブ鹿島、浦和の激突の裏で、東北地方の小規模クラブ同士の戦いとなった。仙台はJ1最下位レベルの人件費約11億円、山形は約5億円足らず。それでも白熱の攻防は、寒空の下で応援を続けた、両サポーターの胸を熱くした。

「ゴール前で仕事をするのがFWなので結果を出せてよかった。次は浦和なのでサポーターもたくさん来てくれる。ピッチの中で全力を出して初のタイトルを取りに行きたい」。波に乗る若手成長株のジャーメインの活躍で、みちのく初の天皇杯戴冠に挑む。【下田雄一】