サポーターの声援を背に、天皇杯をつかみ取る。浦和レッズは7日、ベガルタ仙台と戦う9日の天皇杯決勝へむけて、さいたま市内で調整。オズワルド・オリベイラ監督は2戦連続で原則非公開の試合前日練習を公開することを明言し、選手、サポーターが一体となっての勝利を誓った。

浦和は指揮官の発案で4日の同準決勝鹿島アントラーズ戦の前日練習も公開した。クラブ初の試みとしてサポーターに横断幕掲示や応援旗を持参しての来場を求め、約350人のサポーターが集結。83枚の横断幕も掲示され、大声援の中で調整してチームの一体感を高めた。

オリベイラ監督は「もちろんどの試合も重要だが、今は特別な状況というのはある」と決断の理由を明かし「浦和のサポーターは特別な存在であり、力を与えることができる。サポーターほど選手に情熱を伝えられる存在はない」と話した。

その力もあってか、準決勝では全て負傷交代で3枚の交代カードを使い切るアクシデントがありながらも、前半27分の得点を守りきって鹿島に勝利。指揮官が「準決勝はサッカーの試合というより、戦場と化した現場でした」と振り返る激闘を制して決勝へと駒を進めた。

その試合で負傷交代したのはFW興梠慎三、MF武藤雄樹、青木拓矢の3選手で、興梠は左足関節捻挫、武藤は右足関節捻挫、青木は左ひじを痛めた。オリベイラ監督はこの日の会見で「今朝、練習場に来ると、3人とも順調に回復しているという、うれしい報告がありました」と笑顔をみせ「私の感覚では3人とも(決勝に)出られるのではないかと思います」と話した。

この日の練習では、興梠、武藤は室内での調整だったが、青木はピッチでランニングを行うなど、元気な姿もみせている。DF槙野智章は負傷した3選手と話をしたことを明かし「残り1試合ですし、多少の痛みをともなっても(ピッチに)立たないといけない試合。そして、けがのないフレッシュな人たちはそれ以上の働きをみせないといけない」と総力戦で臨むことを強調した。天皇杯で優勝すれば、来季のACL出場権を獲得できる。浦和にとっては昨季のACL王者としてのプライドもある。DF橋岡大樹は「どんなサッカーでもいいので優勝したい」。12大会ぶり7度目の優勝へ、浦和がギアを上げている。