元日本代表の名古屋グランパスGK楢崎正剛(42)が11日、名古屋市内で引退会見を行った。一問一答は以下の通り。

-引退にいたった経緯は

楢崎 昨季は最後のシーズンと思って臨んで、終わってやりきれた気持ちにあるのか。自分では判断しかねるところもあって考えた。(他チームの)オファーをいただいたのもあって、時間を過ごしているうちにモチベーションが上がってくることも期待していたが、それが感じられなかった。気持ちが切れたな、と。年末にはそういう判断になった。

-要因は

楢崎 ケガもあったがすべてに100%じゃなかった。自分は器用じゃない。常に100%でやっていく形でトレーニングしていたが、それが感覚的にしっくりこなかった。決め手というか判断する材料になった。

-同世代で戦った川口、小笠原、中沢が引退

楢崎 川口さんは(引退の)セレモニーにサプライズの形で出させてもらって「まだまだ続けてくれよ」と言葉をいただいていた。その言葉が響いて悩んだ。(引退が同日発表となった)中沢くんとは(00年シドニー)五輪で(体が)衝突して血を流して戦って、応援してくれる人が増えたと話していたが、またバッティングするとは。何か縁がある。

-キャリアを振り返り

楢崎 (横浜Fの消滅は)サッカー界の事件。一番あってはいけないことと思うが、当時は決まったことと知らされただけ。選手の無力さを感じたし、絶対に忘れてはいけない出来事だった。名古屋でもうまくいかなかったことの方が多い。その中で(10年に)リーグ優勝できたことは、今までを吹き飛ばすぐらいの達成感だった。個人の賞(最優秀選手)をもらえるぐらい活躍できたか分からない。他の選手のおかげ。

-GKとしてのこだわりは

楢崎 強くならなければならない。試合ではつらいことが多い。その中でプレーヤー、人間としてボスでなければいけない。僕が強ければもっといい選手になっていたかもしれない。

-GKへのメッセージ

楢崎 GKは素晴らしい仕事。1ゴールを決めるより、重みのある仕事ができる。子どもたちが「GKをやりたい」と。そういう土壌を作っていきたい。今、日本代表がアジア杯で戦っているが、選ばれている選手は強い気持ちで、「日本のGKはやるじゃないか」と世界に思わせるようになってほしい。

-今後は

楢崎 具体的には決まっていない。クラブの中でも携わりながら、サッカーの発展に貢献できれば。これからゆっくり考えたい。

-指導者は

楢崎 今のところ監督とかはイメージできないが「日本のGKを育てないといけない」という世間の声を耳にすると、育つよう手助けしていきたい。指導者はあまりないが、サッカーに育てられてきたんで、サッカーに恩返ししたい。