鹿島アントラーズのジーコ・テクニカルディレクター(65)が31日、鹿島のキャンプ地である宮崎に入りチーム練習場を訪れた。

ジーコ氏は1月30日に来日し、この日に宮崎入り。ハードスケジュールにも「忙しい日程は当たり前のことではないかと思う。何かを成し遂げたい人は忙しいのが一番。仕事をするのは当たり前のこと」とプロ魂を口にし、2月1日は、J2大宮アルディージャとの練習試合を控える中で「ゲームは一番、本来の選手の状態を見ることができる。それぞれの状態を把握するのが重要」と話した。

今季の鹿島は、MF小笠原満男が引退し、新しい時代を迎えようとしている。「間違いなく、クラブを象徴する選手で精神的支柱でもあった」と、まずは小笠原氏の功績を称えた。

その上で「ただ、世界は最初はみんな、いないと感じますけど、その後はチームは生き物。いない中で成長していくもの。彼は10代でここに入り、20代前半から試合に出始めて、数多くの歴史をこのクラブで刻んだ。今いる新入団の選手にはそれをいいお手本として目標にしてほしいし、彼のような活躍をするということが望ましい。1人1人が努力すれば彼のようになれるのではないかと思います」と小笠原氏に続く新選手の台頭に期待を寄せた。

昨季の鹿島はアジア・チャンピオンズリーグで王者に輝き、クラブW杯では欧州覇者のレアル・マドリード(スペイン)、南米覇者のリバープレート(アルゼンチン)に連敗して幕を閉じた。

ジーコ氏は、日本のサッカーの今後の発展のために「クラブレベルでも国際経験が重要」と説き、「ドリブル1つでも間合い、詰め方、スピード感覚も含めてボールの動かし方、体の使い方がまったく違う。微妙な肌で感じる感覚が違う」と強調。「事前に情報を体に持っていないと。日本サッカーの今後の発展のために、クラブレベルでの対戦経験が必要」と提言した。