アルビレックス新潟が今季初勝利を挙げた。4-1でジェフ千葉に快勝した。前半30分、FW田中達也(36)が今季のチーム第1号ゴールで先制。これを皮切りに後半25分にMF高木善朗(26)、同44分にFW矢野貴章(34)、同ロスタイムにはルーキーのDF新井直人(22)が得点を重ねた。アウェーでの4点以上は10年ぶり。ホーム開幕の次節柏戦(9日・デンカビッグスワンスタジアム)に向け弾みをつけた。

田中が新潟サポーターを沸かせた。右手を高々と上げて2500人が集まったアウェーのゴール裏を指さす。今季最初の新潟のゴールシーン。チームもファンも一体となり、ボルテージを上げた。

「ゴールが見えたので、迷わず狙った」。前半30分、中央で相手ボールを奪ったMF戸嶋祥郎(23)からパスを受けるとドリブルで前進。ペナルティーエリア手前で右足を振り抜きマウスにたたき込んだ。プロ19年目。36歳3カ月と4日での得点はクラブ2番目の年長ゴールだった。

前日2日、チームは新潟から5時間かけバスで千葉入り。田中は車中でサッカーの試合映像を見てすごした。宿舎に到着するとマッサージを受け「移動の疲れはないです」。新幹線のグリーン席で移動していた昨季までと待遇は変わった。そんな変化にも動じず、万全の状態でピッチに立ち、結果を出した。

ベテランの先制弾から、10年ぶりアウェーでの4得点となるゴールラッシュ。J1時代09年7月4日柏戦以来のアウェー4点目は、ルーキー新井が決めた。後半ロスタイム。右サイドでFW渡辺新太(23)からのパスを右足で決めた。「頭の中が真っ白になった」。サポーターの大歓声にガッツポーズで応えた。練習生で高知キャンプに参加し、開幕スタメン、そして2戦目でプロ初得点と、まさに“シンデレラボーイ”。

後半38分にはセンターバックからボランチに移った。「1つ前の位置になったので前にボールを出すことを意識した」。冷静に役割を判断。2試合連続のフル出場でチームに貢献した。

片渕浩一郎監督(43)は「いかに中央でフリーをつくるかが攻撃の狙いだった」。選手はそのリクエストに応えた。この流れで次節柏戦に向かう。田中は「次の試合にも勝って、サポーターと喜び合いたい」。勢いを感じながらホーム開幕戦に視線を向けた。【斎藤慎一郎】

▼新潟の年長得点記録 36歳のFW田中達也が3日の千葉戦で今季初得点。36歳3カ月4日でのリーグ戦ゴールはクラブ歴代2位の年長記録。最年長は02年のDF神田勝夫(現強化部長)で36歳5カ月3日。元日本代表のベテランFWは今季も健在。今季中のクラブ記録更新の期待が懸かる。