現在5戦未勝利でJ1リーグ最下位のベガルタ仙台は5日、仙台市内で完全非公開による最終調整を行った。今日6日はホームで、3月のルヴァン杯で勝利を挙げているサガン鳥栖(リーグ戦15位)と対戦する。ここで、何としてもリーグ戦初白星を呼び寄せたい。キーマンは今季、横浜F・マリノスから新加入のMF吉尾海夏(20)だ。「早く結果を残したい」と、プロ初ゴールへ強い意欲を見せている。

季節外れの雪に見舞われた、前節(3月30日)ホームのセレッソ大阪戦で、吉尾は移籍後初の先発フル出場を果たした。2月の開幕戦は不出場も、徐々に存在感を示している。昨年3月に古巣の横浜でJ1デビューし、通算9試合に出場したがゴールはない。吉尾は「目に見える結果を残さないと生きてはいけない世界だと毎日感じていますし、早く結果を残したい」。自身とチームを重ね合わせるように、現状打破を強調した。

横浜から仙台に移ったことで、自身の立ち位置や心境も大きく変化し「初めにシステムが変わることで戦い方や戦術が違いますし、一緒にやる選手の特徴に合わせて、自分がうまくチームをいい方向に向けられるように考えながらやっています」と、出場機会の少なかった昨年とは違い、仙台ではチーム全体を見渡すことを心がける。

チームは最下位で窮地に立たされているが、気丈に前を向いている。弱冠20歳の若武者は「チームの雰囲気は特別悪くない。逆に勝つしかないという明確な目標があるので、それに向かってチームが1つになっている。個人としても開幕してから出場機会が増え、コンディションもだんだん良くなっている。あとはゴール前でしっかり決めきって、チームを勝たせたい」。自身のプロ初ゴールで、今季ベガルタ初勝利を何としても呼び込みたい。

前節試合後は、大ブーイングを浴びたホームが再びの舞台だ。吉尾は言う「勝ってサポーターの皆さんと一緒に、喜びを分かち合いたい」と。熱い「ベガサポ」へ、今度こそ名刺代わりのゴールを贈ってみせる。【相沢孔志】