アルビレックス新潟は東京ヴェルディと1-1で引き分けた。3試合連続のドローゲームで、J初采配の吉永一明監督(51)にはホロ苦いデビュー戦になった。

前半5分、右CKからのこぼれ球をFWレオナルド(21)が右足で押し込み先制も、後半20分に追いつかれた。今季初先発のDF広瀬健太(26)の横パスをカットされてFW端戸仁(28)に決められた。新潟の東京V戦の対戦成績はJ1時代を含めて4分け5敗と未勝利が続く。

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勝てなかった。監督就任から4日間の非公開練習で集中したトレーニングを積んでも、勝利に結びつかなかった。先制しながら、パスミスで追いつかれる手痛いドロー。ゴール裏のサポーターのもとへあいさつに向かう選手たちの足取りは重かった。観衆6085人のうち、約3100人の新潟サポーターが、ホームの雰囲気をつくったが応えられなかった。

「ゲーム自体は、選手たちは勇敢に(チームとして)やろうとすることにトライしていた。恐れず、やることはできた。残念です」。14日監督交代が発表され、J初采配となった試合を吉永監督は振り返った。片渕浩一郎前監督(43)とは、ひと味違ったゴールへのアプローチを繰り広げた。従来の4-4-2のシステムを変更して、4-2-3-1の布陣。前節(13日)から先発3人が入れ替わり、センターバックだったDF新井直人(22)は左サイドバックに。ロングボールは多用せず、パスをつないで相手ゴールに迫った。吉永監督は「パスをつなぐことが目標ではない。みんなで前進する方法として採用した」と言う。

試合後、ゴール裏のサポーターからは拍手と罵声が交錯した鼓舞を受けた。選手たちは、そんな励ましに前を向くしかない。確かな手応えも感じていた。MF加藤大(27)は「決定的なシーンを何度もつくれた」と言い、新井も「短い準備の中で前半はテンポよくボールをつなぐことができた」と話した。次節(28日)もアウェーでの水戸戦。新生新潟の試金石になる。【涌井幹雄】