4月30日、鹿島アントラーズの平成最後の練習には「SPIRIT OF ZICO」の横断幕が掲出された。

オフ明けの30日、強い風と雨に見舞われた鹿嶋市内で、チームは5月3日の清水戦(カシマ)に向けて練習を再開。ACL慶南戦、リーグ横浜戦と公式戦連敗中のチームに、サポーターから“愛のムチ”なのか献身、誠実、尊重の3本を柱とする「ジーコ・スピリット」が注入された。試合時はスタジアムに掲げられている横断幕だが、練習場に張り出されるのは珍しい。

当のジーコ・テクニカルディレクターも、キャップをかぶり練習を見守った。ジーコ氏からチーム全体に話などはなかったというが、平成のサッカー史を語る上で欠かせない“神”の存在をより一層意識することとなった。

FW伊藤は「勝つことを体現するために、わざわざ『SPIRIT OF ZICO』の旗を出してくれた。そういう(勝利への)思いや闘争心は、しっかりと1人1人が心に宿したほうがいい」と引き締めた。【杉山理紗】