G組2位の浦和レッズが3位北京国安（中国）を3－0で振り切り、優勝した17年以来2大会ぶり5度目の決勝トーナメント（T）進出を決めた。

前半13分に急きょ途中出場したMF長沢和輝（27）が右足で決勝点。FW武藤雄樹（30）の2点目もアシストして16強に導いた。6月19日の決勝T1回戦第1戦で蔚山（韓国）と対戦する。

H組の川崎フロンターレは敵地でシドニーFC（オーストラリア）を4－0で破ったが、上海上港（中国）が勝ったため2年連続の1次リーグ敗退が決まった。

浦和MF長沢が1得点1アシストと躍動した。前半34分、FW武藤の縦パスからペナルティーエリア内で1人かわし、右足を振る。GKの動きも見極めた緩やかなシュートがゴール左に決まり、均衡を破った。ベンチスタートで迎えた一戦。開始1分に主将MF柏木が相手との交錯で右膝を強打し、13分に負傷退場した。スクランブル投入された中で結果を出した。

勝てば文句なし。引き分けなら0－0は突破、1－1以上の失点を伴うケースは敗退（直接対決優先）だった試合。1点リードでは安心できない中、長沢が前半41分に安全圏へ導いた。左サイドを元ブラジル代表MFレナト・アウグストに競り勝って破ると、中に切り込んでフリーの武藤を見つけてラストパス。難なく決まって2点差に広げた。

今春、早大大学院に進学した秀才だ。スポーツ科学研究科の平田竹男研究室でスポーツビジネスとエンターテインメントビジネスを学んでいる。異色の院生Jリーガー。休日はハノーバー原口に電話取材してリポートにまとめるなど常に向上心がある。チームが17日のJ1湘南戦でFW興梠、DF槙野らを温存し、先発8人を入れ替えた中でサブに回っても、準備は怠る男ではないことを証明した。

その湘南戦でも得点。しかし、2－0から大誤審をへて逆転負けした経験を生かし、逃げ切った。3月に敵地で対戦した際は0－0ながらシュート0本に抑え込まれた北京国安に快勝。2度目のアジア王者になった2年前、ハリルジャパンに初招集されるなど中心だった長沢和輝が令「和」も「輝」き、2大会ぶり16強に駒を進めた。【木下淳】