ホームのノジマステラ神奈川相模原が、FW南野亜里沙(27)の2得点の活躍などでAC長野パルセイロ・レディースに大勝し、A組首位に浮上した。

前半26分に右サイドからのクロスにMF中野真奈実(32)がダイレクトで左足を合わせる技ありゴールで先制すると、そこから波状攻撃を開始。43分に南野が追加点を奪うと、2点リードで迎えた後半19分には右サイドからのクロスに合わせたDF櫻本尚子(28)のヘディングシュートが決まって3点目。23分に南野、40分に途中出場のFW佐々木美和(24)が決めて突き放し、最後はMF田中陽子(25)がダメ押しの6点目を沈めて締めくくった。

野田朱美監督(49)は「チームの立ち上げから積み上げてきたものが浸透してきたことが大量得点につながった」と顔をほころばせた。カップ戦ということもあり「できるだけ早く(交代枠を)3枠使いたいなと思っていた」とハーフタイムに元日本代表FW大野忍(35)に代えて日本代表経験もあるDF松原有沙(24)を投入するなど、言葉通り後半34分までに3人を交代。就任1年目の指揮官は「誰を出してもいいぐらいチーム内の実力差が拮抗(きっこう)してきている」と充実感をにじませつつ「こういう試合のあとは苦しむことが多い。1試合1試合大事に戦いたい」と気を引き締めた。

一方の長野は、ワールドカップ(W杯)フランス大会に臨む日本代表活動に参加中の大黒柱のFW横山久美(25)を欠いたことも影響し、最後まで相手の圧力をはね返すことができなかった。

MF滝川結女(19)は「まだまだ実力不足。うしろの選手たちが頑張っているのに前の私たちが攻撃に絡めていけなかった。しっかりと受けとめて、みんなで修正していきたい」と肩を落とした。横山に代わって、この日の主将を務めたGK池ケ谷夏美(28)は「失点はしたが、その中でなんとか自分たちのやりたいことを表現しようと話していた。これだけ実力差があることを若手も含めて感じないといけないし、無駄にならないように次につなげたい」と前を向いた。