今夏で東京を退団し欧州移籍する見通しの日本代表MF久保建英(18)を巡り、日本人選手としては史上最大級の獲得競争が始まっていることが3日、分かった。下部組織時代に在籍した名門バルセロナの最大のライバルであるRマドリードや、プレミア王者のマンチェスターCなど複数の超ビッグクラブが興味を示していることが判明。今日4日に18歳となり、海外クラブとプロ契約を結ぶことへの障害がなくなった。日本の至宝には、限りない可能性が広がっている。

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今夏で東京を退団する見通しの久保に対し、欧州のメガクラブが獲得に動きだしている。過去に日本人選手が加入したことのない“白い巨人”Rマドリード、プレミア王者のマンチェスターCがすでに水面下で具体的な獲得の意思を示したという。獲得後、1度レンタル移籍で武者修行し、先々のチーム構成を踏まえた上で主力として復帰させる案など、具体的な話し合いも進んでいるようだ。本気度がにじむ。

過去に香川真司がマンチェスターU、本田圭佑がACミランでのプレーを実現させた。ただ今回、世界最高峰のクラブが次々と獲得に向けて接触している。現状では復帰せず、決別が濃厚なバルセロナも、下部組織で育て上げた宝の復帰を諦めていない。フランスメディアによれば、同国1部パリサンジェルマンも興味を示しているという。ビッグクラブを軸にした世界規模の争奪戦となるのは、確実な状況だ。

そんな騒がしさの中でも、久保は、あくまで慎重に新天地を見極める姿勢だという。超ビッグクラブからのラブコールにも“ブランド力”を重要視はしない姿勢。最優先の条件は1人の選手として、よりレベルアップできる環境があること。昨季もシーズン途中で異例といえる横浜への期限付き移籍を決断するなど、出場機会を得ることで、急激に成長してきた。その中で、できる限り高いレベルの舞台を目指す姿勢が揺らぐことはない。

今季の目覚ましい成長で、一気にA代表まで駆け上がった。Jリーグでは、首位を独走する東京の攻撃の要として、替えの利かない存在であることを結果で示した。日本代表にも初招集され、18歳の初試合、明日5日のトリニダード・トバゴ戦で国際Aマッチデビューの可能性もある。キリンチャレンジ杯2試合後、南米選手権を戦う6月中にも、新天地が決まる可能性が高い。

 

◆レアル・マドリード 1902年に創設されたスペイン屈指の強豪。国内1部リーグは33度の優勝を誇る。欧州CLは前身の欧州チャンピオンズカップを含めて最多の13度優勝。スペイン国王杯も19度制した。本拠地はサンティアゴ・ベルナベウ競技場。チームカラーは白。現役時代にフランス代表として活躍したジダン監督が率いる。

◆マンチェスター・シティー 1880年に創設されたイングランド・プレミアリーグの強豪。国内1部リーグは2連覇中で計6度優勝。18-19シーズンはリーグ、リーグ杯、FA杯の国内3冠を史上初めて達成した。本拠地はエティハド・スタジアム。チームカラーは水色。バルセロナやスペイン代表で活躍した「名将」グアルディオラ監督が率いる。