J2アルビレックス新潟は15日の第18節、栃木SCとホームのデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。14日は聖籠町のクラブハウス練習場で調整を行った。

今季初の連勝がかかる一戦、FWフランシス(29)が自身10試合ぶりのゴールを狙う。チーム一の俊足の持ち主は、前節アウェー岐阜戦(8日)で来日初スタメンでフル出場を果たした。今節はホーム初スタメンが濃厚。自慢のスピードでチームを連勝にけん引する。

フランシスは時折、笑顔を交え、リラックスした雰囲気で前日練習を終えた。締めのシュート練習では猛ダッシュでゴール前に詰め、こぼれ球を狙った。逆サイドから流れてきたボールが目の前でラインを割っても、スピードを落とさず追った。

8日の前節FC岐阜戦に続き、右サイドハーフでのスタメンが濃厚。「得点は誰が決めてもいい。チームが勝つことがいちばん大切。もし自分のゴールで勝てるのならうれしい」。第8節ファジアーノ岡山戦(4月7日)では途中出場して2得点し、来日初出場で結果を出した。決めればそれ以来になる。岐阜戦で90分間走る感覚はつかんだ。「高知キャンプ(2月)でフィジカルを鍛えたし、日々の練習で準備はできている」。栃木戦に向け、万全の状態を強調する。

最大の武器は足の速さ。来日してからトップスピードは時速34・5キロをマークした。ボタフォゴ(ブラジル)に所属していた17年には最速35キロを出したこともある。新潟ではもちろん最速でJリーグ全体でもトップクラスの数値だ。吉永一明監督(51)は「良さを存分に出してくれている」。岐阜戦ではサイド突破から3点目のオウンゴールを引き出すクロスを入れている。栃木戦でも「スペースを突いていく」と長所を最大限に生かす。

「どのチームにいっても、だいたい、いちばん足が速かった」と言う。幼少時、野良犬に追いかけられ、必死に走った。地域の遊びのたこ合戦では、絡み合ったたこが地面に落ちる前にキャッチしようとダッシュした。「そのころから一生懸命走っていた。だから速くなったのかな」と当時を振り返りながら笑う。

その走力が新潟の切り札になりつつある。「ホームでサポーターに喜んでもらいたい。そのためには連勝しなければ。自分の速さを役立てたい」。白星を連ねるため、トップギアで走ることを誓った。【斎藤慎一郎】

◆フランシス 1990年4月16日生まれ、ブラジル出身。10年、ブラジル・ヴォトラチーでプロ契約。16年にはポルトガル・ヴィトーリアに所属した。18年にブラジル・サンベントでプレーし、今季から新潟に。178センチ、71キロ。背番号13。