サガン鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(35)が“神”がかっていた。引退表明後初出場し、圧巻の2得点。4戦ぶりの勝利に導き、最下位脱出に貢献した。

同点の前半16分、右クロスをヘディングで勝ち越し点。ボールを受ける直前にDFのマークを外して流し込むと、同20分にも再び右クロスから頭でたたき込んだ。それでも「クロスがよかっただけ」。自身2点目はDF2人に囲まれた中で体の強さを発揮。23日の会見で引退理由に挙げた「求めているレベルに達していない」コンディションでもゴールへの嗅覚は鈍っていなかった。

スペイン代表では通算110試合38得点を挙げ「エル・ニーニョ(神の子)」と呼ばれた。2度の欧州選手権優勝、10年W杯南アフリカ大会での初優勝など輝かしい実績を誇る。だが、今季は試合前まで11戦無得点。復調の2発に「素晴らしい日になった」と笑顔が戻った。

現役ラストマッチは8月23日のホーム神戸戦。代表でともに戦い、この日2得点ずつ挙げたMFイニエスタ、FWビジャとの共演を最後にユニホームを脱ぐ。トーレスは「この先もやることは変わらない」。花道を飾るべく、調子を上げていく。【神谷亮磨】