北海道コンサドーレ札幌DF福森晃斗(26)が左足で攻撃を支えた。

2-2で突入した延長前半9分、放った約22メートルのFKはゴール左隅へ。大柄ではない川崎フロンターレの選手頭上を冷静に狙い、ネットに突き刺す弾丸シュートだった。「素直にうれしい。プロをスタートした川崎から大舞台でFKを決めたいと思っていた」。1-2の後半ロスタイムでは右CKを蹴り、延長に持ち込むMF深井一希の土壇場ゴールをアシストした。

チームをけん引した。MF宮沢裕樹主将が不在のためキャプテンマークを巻いた。後半開始の直前には、ピッチに飛び出す選手を呼び戻して輪を作った。延長後半でベンチに退き、「120分出られないところにふがいなさがある」と悔しさをにじませた。チームはその後に同点に追い付かれ、「攻めきるのか、キープするのか、どっちつかずの部分があった」と課題を口にした。

戴冠にあと一歩、いや半歩、届かなかった。それでも昨年9月のリーグ戦で0-7で大敗した難敵を相手に粘り強く戦った。「ポジティブに捉えると川崎からここまで得点を取ることができたし、札幌の強いところを見せられて良かった」。この経験が次への大きな財産になる。【西塚祐司】

▼札幌の記録メモ DF福森が延長前半9分に直接FKゴール。ルヴァン杯の決勝で直接FKゴールは、99年の鹿島MF阿部敏之、10年の広島DF槙野智章に次いで9年ぶり3人目。