柏レイソルがJ1昇格を決めた。アウェーでFC町田ゼルビアに勝ち、勝ち点を81まで伸ばし、J2優勝とともに、来季は2季ぶりにJ1の舞台に戻ることになった。

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1年でJ1に戻る-。09年以来のJ2降格を受け、クラブとしての決断は明確だった。立て直しをはかる新指揮官として、10年のJ2優勝、そして11年に昇格初年度でのJ1制覇を成し遂げたブラジル人の名将ネルシーニョ氏に再オファー。同氏の希望もあり、当時と同じく、ヘッドコーチには前年までJ2アビスパ福岡の監督だった井原正巳氏を据えた。

14年に第1次ネルシーニョ体制を終えて以降、フロントは育成強化に力を入れ、トップチームの指揮官もクラブの下部組織の指導経験がある吉田達磨氏や下平隆宏氏らが歴任。しかし、13年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)を制覇して以降はタイトルから遠ざかり、ついにはJ2降格という現実も突きつけられた。布部陽功ゼネラルマネジャー(GM)は「ここ数年間はチャレンジの時期だったが、結果が出なかった。今年はとにかく勝つこと。そこで彼(ネルシーニョ)にお願いした」とその理由を語った。

昨季の主力で日本代表でも定位置をつかみつつあるFW伊東純也が海外移籍(ベルギー1部ゲンク)したが、前年にJ1を戦ったほとんどの選手が残留。ぶっちぎりでの優勝を予想する声もあったが、第8節から12節まで5戦未勝利を経験するなど、9年前より競争力の高まったJ2での戦いに苦しんだ。

初めて首位に立ったのはシーズンを折り返した後の第25節だった。「J2も相当、進化してきているなという印象を感じた。10年は上位の数チームだけが自動昇格をかけて戦っているような感じだったが、今はJ2クラブの半数以上が自動昇格、プレーオフを目指せる状態にある」とネルシーニョ監督は話していた。

1試合を残しての歓喜のゴール。最終節は24日、ホームの三協フロンテア柏スタジアムで京都サンガFCと戦う。熱いサポーターの待つ「日立台」でともに昇格&優勝を祝うこともできる。1年間の苦闘をへて、柏がJ1に戻ってくる。