北海道コンサドーレ札幌はサガン鳥栖を2-0の完封で下し、3試合ぶりの勝利を挙げた。MF鈴木武蔵(25)が今季13点目を決め、昨季のFW都倉(現セレッソ大阪)の12点を抜き、クラブの日本人選手J1年間最多得点を記録した。

1点リードの後半ロスタイム4分、相手GKがはじいたこぼれ球に反応。左足で冷静に沈め、ダメ押しの2点目となった。「後半は押し込まれて苦しい展開だったので、決められて良かった」と振り返った。

相手とは試合へ臨むモチベーションの差が心配されていた。ホーム最終戦で、J1残留がかかっていた鳥栖に対し、札幌は勝っても8位キープ、すでにACLも残留争いにも絡んでいない。だが、鈴木には関係なかった。「(年間)15点を目標にしているので」。開幕前に掲げた数字へ向かって、ぶれずに突っ走っている。昨季の11点を更新するキャリアハイにも満足していない。

札幌での初のロスタイム弾は、タイトルを諦めていない姿勢だ。リーグ得点ランキングは4位タイに浮上。首位まで2点差に迫る。「得点王も可能性がある限り狙っていきたい」と言い切る。ルヴァン杯で最多7得点を挙げたストライカーは“2冠”に本気だ。

12月4日に控える東アジアE-1選手権(12月、韓国)の日本代表発表前、最後のアピールの場で仕事は果たした。そして迎えるのは7日の最終節ホーム川崎フロンターレ戦。「絶対に勝ちたい」。PK戦で敗れたルヴァン杯決勝のリベンジで、シーズンを締めくくる。【保坂果那】