今季からJ2モンテディオ山形を指揮する石丸清隆新監督(46=前J2松本トップチームコーチ)の就任会見が9日、「将棋の町」天童市内で行われた。昨季は木山隆之前監督(47=現J1仙台監督)の下、シーズン6位でJ1参入プレーオフ(PO)に進出。1勝を挙げたが、昇格はかなわなかった。18年に松本のJ1昇格に貢献した新指揮官は自らを将棋の「歩」にたとえ、15年以来3度目のJ1復帰に導く決意を示した。

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天童市は将棋駒の生産量日本一。会見最後に「自分を将棋の駒にたとえたら?」と問われた石丸監督は、「歩ですかね。着実に1歩1歩」と自信に満ちた笑顔で答えた。チームとして「歩」から「と金」へと変えていく-。最大目標のJ1昇格に向けて、1勝ずつ進んでいく指揮官のメッセージが込められていた。

現役時は福岡、京都、愛媛でプレー。07年に愛媛で指導者人生をスタートさせた。13年から2年間を愛媛、15年7月からは京都を率い、17年から松本のトップチームコーチを務めた。山形監督の契約期間は2年。それでも「2年あるからといって、2年後の昇格ではなく、昇格を狙いながら、少しずつチームを堅守だけでなく、攻撃も上積みしたい。しっかり勝負して、全力でやります」と意気込んだ。

昨季の山形は主に3バックで戦い、リーグ戦全42試合でリーグ3位タイの40失点に抑えた堅守が武器。愛媛では3バック、京都では4バックで守ってきた石丸監督は「両方考える。J2は戦術的に特徴があるチームが多いと思うので、両方こなせるようになれば、引き出しが増えると考えている」と固定化せず、臨機応変に戦うつもりだ。

昨年主将のDF山田やディフェンスリーダーのDF栗山、チームトップの12得点を挙げたFW大槻が残留した一方で、ルーキーながらリーグ戦全試合に出場し、7得点を挙げたMF坂元がC大阪、山形で才能を開花させたMF井出が東京Vに完全移籍した。石丸監督は「今のところ僕も真っ白な状態。誰がレギュラーとか無い状況なので、みんなにチャンスはある」と激しいレギュラー争いを期待した。【相沢孔志】